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Mika’s Set List of the 1st Ragtime Festival in Sapporo [concert]

1. Mallet a la Zurka (Harry Breuer)
2. Temptation Revamp (HB)
3. Rag Doll Rag (HB)
4. Dill Pickles (Charles Leslie Johnson 1906)
5. Ragging the Scale (Edward Browne Claypole 1915)
6. Stoptime (George Hamilton Green)
7. Xylophonia (Joseph Green)
8. Cromatic Fox Trot (G.H.Green)
9. Girlfriend Medley (Bob Becker 1987)

最初の3曲は、2007年に、Meredith Music Publications から出版された、ブリュワーの作品集から。
iTunesStoreに、ブリュワー本人が演奏する音源が幾つかありますが、楽譜と演奏(=弾いている音符)は全然違うので、ご注意を。


Harry Breuer's Ragtime Solos: Five Solos for Xylophone, Marimba or Vibes: With Piano Accompaniment

Harry Breuer's Ragtime Solos: Five Solos for Xylophone, Marimba or Vibes: With Piano Accompaniment

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Meredith Music Pubns
  • 発売日: 2007/10/20
  • メディア: ペーパーバック



ハリー・ブリュワー(1901~1989)は、ジョージ・ガーシュウィンと親交があった人で、ガーシュインがオペラ『ポギーとベス』を作曲する時、木琴パートをブリュワーに「どうかな?」と相談した所、「うーん、そうだね、ちょっと待ってて」と、音出しし、少し練習しただけでブリュワー「には」弾くのが可能だったので、「うん、これでいいんじゃない!」と・・・。そんなわけで、大変な木琴名手だった彼の御陰、というか、『彼のせい』で、あのパートは、あのように出来上がっているのだと思います(私から見れば、メチャメチャ難しいパートに書かれています)。

一曲目、Mallet a la Zurka は、当時(ここでいう当時は、1900〜30年頃です)活躍していたピアニスト・Bob Zurke(1912~1944)の演奏スタイルから着想を得て書かれた曲です。
二曲目、Temptation Revamp は、Henry Lodge作曲で1909年に出版された”Temptation Rag”を、木琴で弾くラグタイム風にアレンジした作品。
三曲目、Rag Doll Rag は、当時流行してた、Novelty(ノベルティ)と言われるジャンルのピアノ曲で、"Doll Dance”という曲があったのですが(Nolaや、Flappereteの様な感じの曲)、その曲が持つ、三連符とシンコペーションの組み合わせで、構成されている曲です。

四曲目、Dill Pickles は、ラグタイムピアノを弾く方なら、知らない人はいないのでは、と思う有名なピアノラグです。当時出版されたシートミュージックの表紙は、どれもすごく素敵で、この曲の表紙も、キュウリが描かれていてユーモアたっぷりです。この日私が演奏したのは、ピアノの原曲の音符〜Chris Chapmanが1906・1907年に録音した音符と、ネクサスのアンサンブルシリーズで出版されている音符をミックスしたバージョンでした。クニさんのピアノも遊んでいました。ラグらしくなく敢えてアルペジオで伴奏しちゃう、という。Chapmanもネクサスも、演奏しているテンポがすごく速いのですが、敢えてゆっくり弾きました。


五曲目、Ragging the Scale は、Claypole(1883~1952) 作曲のピアノラグで、Sammy Herman始め、Brueur、現代では、Green’s New Novelty OrchestraでIan Finkelさんが弾いていたりします。サミー・ハーマンの演奏が素晴らしく、耳に残ります。いつか彼のように弾けるようになりたいです。


Something Old And Something New (Digitally Remastered) by The Sammy Herman Sextet (2011-02-07) 【並行輸入品】

Something Old And Something New (Digitally Remastered) by The Sammy Herman Sextet (2011-02-07) 【並行輸入品】

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Essential Media Group
  • メディア: CD



六曲目、Stoptime は、G.H.Green作曲です。ピアノラグ繋がりを意識して選曲しました。というのは、スコット・ジョプリンの作品中にも『Stoptime Rag』というのがあり、stoptimeというのは、こういう感じか、と自分で発見があったので。ジョプリンの楽譜には『stomp stomp』と、多分、足拍子を入れるように書いてある?文字通り、伴奏が途中で止まり、その隙間を木琴の音符が埋めていくような曲です。ラグタイム、というよりは、マーチのような感じ。典型的な『One Step』といわれるラグです。Cメロに出てくる、繰り返すシンコペーションリズムに、弾いていて酔う曲でした。

七曲目は、ジョージの兄、ジョー・グリーンの代表的な作品の一つである、Xylophonia。第一回目のフェスティバルですから、やはり、ジョーの作品は入れないと!と思い・・・。ジョーとジョージは双子のように育った兄弟で、兄ジョーは、スーザバンドの木琴ソリストとしてツアーに参加していた時期がありました。ジョーがツアーで不在の時、ジョージが楽譜を沢山出版していたらしく(寂しかったからかな?)、ジョージの楽譜があれこれ残っているそうです。この曲のコード進行は、グリーン兄弟の他の作品にも、ちらほら出てきます。なので、この曲の冒頭を他の曲の即興に使えるという・・・。現代マリンバ奏者の方達がマリンバで弾くことも多い曲かな、と思います。

八曲目、Cromatic Fox Trot は、2008年に初めて参加した、ベッカー先生の木琴セミナーで私がソロ用に選んだ思い出深い曲です。ジョージが演奏した録音が沢山残っていますが、同じ演奏がない=全ての録音トラックで、ジョージは演奏を変えています。まさに神です。私はFrank Bantaのピアノで演奏しているバージョンが特に好きで、いつか、こんなふうに即興部分を弾けるようになるぞ、と目標に掲げています。


Green Brothers Masters of the Xylophone

Green Brothers Masters of the Xylophone

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: CD Baby
  • 発売日: 2012/05/29
  • メディア: CD




「ラグタイムは、楽譜に書かれているように弾く」という説もありますが、グリーンはむしろ、即興をとても推奨していました。ベーシックなラグタイム演奏教則本とは別に、即興パターン集のような教則本が、アイデア集、のような形で出版されている程です。


Instruction Course for Xylophone

Instruction Course for Xylophone

  • 作者: Not Available
  • 出版社/メーカー: Hal Leonard Corp
  • 発売日: 2000/03
  • メディア: ペーパーバック






George Hamilton Green's New Series of Individual Instruction Courses for Xylophone and Marimba

George Hamilton Green's New Series of Individual Instruction Courses for Xylophone and Marimba

  • 作者: George Green
  • 出版社/メーカー: Meredith Music Pubns
  • 発売日: 1993/03
  • メディア: ペーパーバック





ところで・・・

木琴ラグタイムの定義=どれが木琴ラグタイムで、どれが木琴ラグタイムでは無いか、というのは、判断がとても難しいです。
その理由を考えてみました。

アコースティック録音が行われていた時代・1877〜1929年の期間の内、1890〜1925年の間に、最も録音に適する楽器として、木琴が用いられていました。木琴の音色が当時の録音技術では、一番はっきりクリアに音に刻むことが出来たのだと思います。
で、その頃の流行曲が、ラグタイムでした。なので、演奏されるのは、純粋なラグタイムの他に、当時の流行曲を木琴で『ラグタイム風に演奏する』ことが聴衆にウケる=『This is Hot!!』と言われていた為に、当時、「木琴が弾ければ仕事に困らない」と言われるほど多かった木琴奏者達は、ラグタイム風に弾くことを要求されていた、と思うのです。先日のライブでは、ラグタイムギタリストの浜田さんも、ピアノの板谷さんも「ジャズに淘汰されたラグタイム」と仰ってましたが、1920年後半にはジャズが流行し始め、楽器もマリンバやビブラフォンの登場で、1935〜37年をピークに木琴奏者が少しずつ減っていき、ソロ演奏用木琴という楽器自体も作られなくなっていったのですが、木琴で演奏される曲は、ラグタイム風に弾くポピュラー曲であることも多かった為に、その影響が残り、ラグとポピュラー曲の境目が、木琴に関して言えばすごく曖昧になっている、と思います。

先ほどのMeredith社が、1984年に出版した『Xylophone Rags of George Hamilton Green』には、ジョージが当時出版した木琴ラグタイムが収録されていますが、ジョージ自身も、『Jazz Classics ~ Modern Ragtime Solos』とその紹介に書いているので、「どっちなの〜〜??」と言いたくなります。

GHG_JazzClMdnRag.jpg


Xylophone Rags of George Hamilton Green

Xylophone Rags of George Hamilton Green

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Hal Leonard Corp
  • 発売日: 2000/03
  • メディア: ペーパーバック







では、「ラグタイム風に弾く、ってどういうことなの?」が、最後八曲目に弾いた、Girlfriend Medley に沢山書かれているので、選びました。この曲も、ベッカー先生のセミナーに2009年に参加した時に弾いた、思い出深い曲です。

ベッカー先生の解説;
「1920年代と30年代の間にソロ楽器としての木琴は、正真正銘の“Golden Age/黄金期”に恵まれていました。木琴奏者は、ピアノの伴奏を伴うソリストとして、またはダンス・オーケストラやコンサートバンドの一員、そして、ヴォードビル劇場興行全体に及び、斬新な演奏者として登場しました。彼らはまた、レコードとラジオ放送、そして、アニメーション映画の中でも頻繁に演奏しました。
ガールフレンド・メドレーは、サミー・ハーマン(この時代で最も偉大な木琴巨匠の内の一人)に対するオマージュ(敬意・賛美)として、1987年に作曲編曲されました。アレンジに含まれる3曲の歌は全て、1920年代の主要なヒット曲でした。
最初の曲は、Benny Davis/ベニー・デイビス作詞、Con Conrad/コン・コンラッド&Russel Robinson/ラッセル・ロビンソン作曲によって書かれた『Margie/マージ』です。2曲目『Jean/ジーン』は、作詞作曲ともカナダの人気ソングライターShelton Brooks/シェルトン・ブルックスによって書かれた曲です。シェルトンは、"Some of These Days”や"The Darktown Strutters Ball"など他のヒット曲でも有名です。最後の曲は、Harry Akst/ハリー・アクスト作曲、Sam Lewis/サム・ルイス&Joe Young/ジョー・ヤング作詞による『Dinah/ダイナ』です。」

ベッカー先生の書いたラグタイムメドレーには、ラグタイム風に弾くと言われるシンコペーションリズムや、三連符でコードに沿って即興を演奏するほか、中間部に出てくる16分音符の連打は、サミー・ハーマンがよく演奏していたパターンで、『Noodling』と言われます。初めてこの『noodling』という単語を目にした時、何のことだか分からなかったのですが、なるほど、スパゲティを食べる時にフォークでぐるぐる回してすくい取るように、左右に持ったマレットが音板の上を回転するような感じ=これが、ラグタイム風に弾く、ことの一つでもあります。

ネクサスのアルバム、『Drumtalker』に収録されている他の曲でも、ラグタイム風に弾く、と言われるパターンが沢山出てきます。素晴らしい即興を聴くことが出来ます。



Drumtalker

Drumtalker

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Nexus
  • 発売日: 2004/03/30
  • メディア: CD



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